Love story Chapter three-5
Chapter three -5
親友の祐美にはしっかりばれていた。
「だってえりさあ…この頃色っぽくなったっていうか、愛されてるって言うか、やっぱ、違うんだって…私達と」
ジャックとの旅行の後、自分ではなにも変わってないと思ってたけど。
「やだー、それじゃ私が色気振りまいてるみたいじゃん」
「でも男子がえりを見る目…なんか私達を見る目と違うって感じだよー。いいなー、ジャックカッコ良すぎるし。やっぱ違うでしょ、愛され方!」
「なんかいやらしいよぉ、その言い方。もう祐美には話さないよーだ」
「ごめん、ごめん。ちょっとイジメすぎた」
祐美が拗ねてるのわかってる。ジャックと付き合うようになってから一緒にいる時間が少なくなったから。
ごめんね…祐美
今日はジャックとピクニック。
3年生になって毎日忙しかったから旅行の後のんびり2人で会ってなかった。
私は朝早く起きてお弁当を作った。
ジャックのお母さんから教えてもらったジャックの大好きなケーキも入ってる。
もうお花見には遅いけど桜並木がある公園に行くことにした。
「ジャック、おはようー。お天気良くてラッキー」
「それ持つよ。お弁当?エリィが作ったの?」
「うん、楽しみにしてね」
私達は手を繋いで公園まで歩いた。
繋いだ手からジャックの体温を感じてうれしくなる。
私達一緒なんだよね、これからもずーっと。
「なんかうれしそうだな」
「うん、うれしいよ。だってジャックと一緒なんだもん。いろいろ忙しくてあんまり一緒に居られなかったでしょ。淋しかった…」
ジャックは私の髪にキスをして繋いだ手を強く握ぎりしめた。
公園にはあまり人はいなかった。
桜もかなり散ってしまっていたので桜並木の下は散った桜の花でできた絨毯のようだった。
「ここにしようか。この木にはまだ花が咲いてるね」
私達はまだ花が残っている木の下にシートを引いて腰を下ろした。
2人並んで座っているとなんか時間が止まってしまったよう。
「ジャック…」
目の前にいるジャック…でもちゃんとつかまえていないと目を閉じた瞬間にどこかへ行ってしまいそうな感じがするの…どうして…
「どうした、悲しそうな顔をして」
「ジャック、離さないで…」
大好きな人の胸に顔を寄せ鼓動を聞く…今確かに一緒にいるんだよね、私達…
ジャックはそんな私を抱きしめて優しく髪を撫でる。
「俺はここにいる、エリィと一緒に」
「もうどこにも行かないで。ずっと私のそばにいて」
どんなに言葉で聞いても、強く抱きしめられても私は不安だった…
「私、桜が散るのって好きじゃないの。なぜかわからないけど見てるとすごく悲しくなる」
ジャックの腕の中にいても悲しくなって涙が出てきてしまった。
ジャックは私を強く抱きしめて言った。
「エリィには俺がいる」
「うん。そうだよね。いつも私のそばにジャックはいてくれるよね。ありがとう、ジャック…」
ちょっとしんみりしてしまった…楽しみに来たのに…
「あっ、そうだっ、お弁当食べよう。せっかく持ってきたんだもん」
「エリィの作ったお弁当だからなぁ」
「はい、どうぞ」
お弁当をおいしそうに食べるジャックを見てうれしくなった。
「デザートもあるんだよ」
「すごいな。あれ、これって」
「そうよ、ジャックのお母さんに教わったあのケーキ。独りで作ってみたの。ジャックが好きだって聞いたから。おいしいといいんだけど…」
「エリィ、ありがとう」
「味見する勇気ある?」
私はケーキを切ってジャックに渡した。
「うん、おいしいよ」
ジャックは本当にうれしそうにケーキを残さず食べた。
「ねえ、ジャック。今度はジャックの好きなお料理作るね。そしたら…うーん」
私が言い終わる前にジャックの唇が私の唇がふさいでいた。
ケーキの味がする甘いキスだった。