Love story Chapter three-11

Chapter three -11

  

あーもう、遅くなっちゃった。

塾が長引いちゃって祐美と2人で急いで家に帰る途中。

本当だったら塾の帰りに祐美と2人でゆっくり話しでもしたかったのに。

喫茶店を横目で見ながら早歩きで通り過ぎようとしたその時。

お店の中にジャックの姿を見つけた。

その向かいに座ってるのは佐々木先生。

なんか真面目な話をしてる感じ…

「えり、どうする?中に入ってなにしてるか聞いちゃう?」

「そんなことできないよ。ジャック、きっと先生になにか聞きたいことでもあるんだよ。だからそっとしてたほうがいいから」

私はそう言って走り出した。

「えり、ちょっと待ってよー」

祐美が後ろから追いかけてくる。

でも私はそのまま走り続けた。

だって、胸の中がモヤモヤしてどうしていいかわからなかったから。

 

もう寝不足だよ。

昨日は眠れなかった。

喫茶店のジャックと先生の姿が頭から離れなくて。

頭ではジャックを信じてるし、ただ話しをしてただけって思うのに、泣きたくなる。

ジャックが私以外の人と2人だけで話しをしてるなんてイヤ。

これってじぇらしー?!

半べそで家を出る。

門の所でジャックが私を待ってる。

「おはよ、エリィ」

「おはよ」

ジャックの顔を見る。いつもと同じ笑顔。

学校までの間、ジャックが先生のことを話してくれると期待しながら歩く。

でも学校に着いてもジャックは先生のこと、なにも言わない。

どうして話してくれないんだろう。

授業中もそのことを考えていてボーッとしていた。

やっと放課後になった。もう限界だよー。

隣でバックに教科書を詰めてるジャックに抱きついて泣き出しそうなのをぐっと我慢する。

「エリィ、帰るぞ。なんだよ、バック空のまま。ほら、早くしろよ」

ジャックは私の教科書やノートを私のバックに詰めてそのまま背負って教室を出る。

「どうした…エリィ…」

ジャックは小さく溜息をついた。

「なんでもないもん」

「そうは見えないな…」

言えないよ、ジャックを信じてたら聞く必要も無いはずだし…でも気になる…

「ジャック…っ…」

もう我慢できずジャックに抱きついた。

「私、イヤ。ジャックが他の人と2人だけで会ってるのなんか見るの!」

「なんだよ、どうしたんだ。エリィ!俺がエリィ以外の子と…?そんなことするわけないだろうー」

「だって、見たんだもん。ジャック、昨日佐々木先生と一緒だった。2人でなんか話してた!」

ジャックは一瞬顔を曇らせたけどその後すぐに笑顔になって私を抱きしめた。

「エリィ、マジで俺と先生を疑ったのか?たまたま会ってじゃあ喫茶店で話でもってことになったんだよ。」

「だって、ジャック。先生と会ったこと、話してくれなかったから。内緒のことかと思って…ジャックのこと信じてるから聞かなくたっていいんだーって頭でわかってても、胸がモヤモヤしてどうしようもなくて…」

「エリィ…」

ジャックが私の頬を優しく撫でて言った。

「もうなにも言わなくでくれ。これ以上好きだって言われたらエリィをここでどうにかしてしまいそうだから」

「私、好きって言ってないよ…一言も」

「俺にはそう聞こえる。ごめんな、エリィ。俺もエリィが他の奴と2人で会ってるのを見たらなにをするかわからないと思うよ。たぶん、その場でそいつを殴ってるかもな…」

きゃー、そんな乱暴な。

「まあ…エリィがそんなことするわけないだろうから、そういう事態にはならないだろうけどさ。それより先生とどんな話をしてたか知りたいんだろ?」

「うん…」

ジャックは私の耳に唇を寄せて囁いた。

「どうしたらエリィを幸せにできるかって聞いてたんだ」

もう、ジャック…バカ。