Love story Chapter three-12

Chapter three -12

  

「俺、夏休みにちょっとカナダに行ってくる」

ジャックが1学期の終業式の日に突然言った。

「淋しいなあ、どうしても行かないといけないの?」

「どうしてもやっておかなきゃいけないことがあるんだ。悪い!でもすぐ戻って来るから待っててくれ。帰ったら2人で海にでも行こうか」

「うん、楽しみー!どこがいいか調べておくねー。だから早く帰って来てね、ジャック」

そしてジャックは夏休みに入ってすぐカナダに帰った。

私は毎日ジャックが早く帰って来ないかなーと待った。

2人で行く約束をした海への旅行を楽しみして。

でも…いくら待ってもジャックは日本に戻って来なかった…

そしてジャックからメールが来た。

たった一言。

"もう会えない"って…

どうして…?

 

 

最悪なことになった。

ジャックのお父さんがカナダに転勤で戻ることになった。

ジェイムズもジョシュアも一緒に帰ってしまう。

なんかジャックのことが関係してるのかなあ。

私は頭の整理がつかなかった。

あっという間に引越しの準備が出来て、お隣は居なくなってしまった。

うちに挨拶に来た時も、忙しそうにすぐに行ってしまった。

ジェイムズが言葉少なくただこう言った。

"エリ、今まで本当にありがとう。こんなカタチで居なくなるのを許して欲しい"

私はジェイムズの言葉にすら反応できないくらいショックを受けていた。

でもだんだん落ち着いてきてなにが起きたのか考えられるようになってきた…

もう会えないって、それだけで納得できない!

ちゃんと説明して欲しい。

こんなカタチで終わるのはイヤ。

ジャックに会って聞きたい、本当のことを。

 

私はバンクーバー行きの飛行機の中に居た。

ジェイムズは言った。

"バンクーバーに来たら君に全てを話そう"

ジャックから一方的に別れを告げられた私はジェイムズに連絡を取った。

ジェイムズの話ではジャックとエミリーがバンクーバーに住んでいるって。

だからバンクーバーに行って、ジャックに会って本当のことを聞くつもりだった。

私がバンクーバーに行くと言った時、最初は家族に猛反対された…

でも今行かなかったら私は前に進めない…どうしてもジャックに会いたい。

その気持ちを理解して許してくれたお母さん…本当にうれしかった。

結果がどうであれ、本当のことを知りたい。

その思いを胸に太平洋を渡った。

ジェイムズは空港に迎えに来てくれていた。

久し振りに会ったのにお互い顔が見れずそのまま車に乗ってジェイムズが予約してくれたホテルへ向かった。

ジェイムズはまた来るのでそれまで少し休んだ方がいいと言ったけど、私はすぐにでも真実を聞きたかった。

「長くなるよ、それでも今、話したほうがいいのかい」

「うん、今聞きたい。でもちょっとシャワーを浴びてきてもいいかな。目をちゃんと覚まして聞きたいから」

ジェイムズを待たせて悪いなって思ったので軽くシャワーを浴びて急いで着替えを済ませた。

「ごめんね。これでちゃんと話が聞ける」

「じゃあ、話すよ。エリ、ここに座って」

ジェイムズはそう言って私を窓際の椅子に座らせて話を始めた。