Love story Chapter four-2
Chapter four -2
それから毎朝、私は蒼の新聞配達を手伝うようになった。
話してみると蒼は見かけよりしっかりしていてびっくりした。
新聞配達も大学に行くための資金のためだって。
両親が出してくれるって言ってるのに自分でなんとかしたいからって。
どんな職業に就きたいのって聞いても教えてくれないんだけど、きっとなにかやりたいことがあるんだろうなあ。
私なんかより、自分の将来のこととかちゃんと考えていてすごいなって思った。
「ねえ、蒼。お休みの日とかなにしてるの?」
「そうだなあ…新聞配った後、親父の仕事の手伝いをして、そしてなんだかんだしてるうちに1日終わっちゃうって感じかな」
「お父さんのお仕事って?商売でもしてるんだ?」
蒼はちょっと恥ずかしそうに俯いてボソっと言った。
「俺んち、駅前にある本屋してるんだ」
あの本屋さん、私も何度か利用したことがある!
「小さい頃から親父の手伝いでよく店に行ってた。でもいつも本読むのに夢中になってしまって、手伝ってるって感じじゃなかったけどな」
なんか夢中に本を読む、小さい頃の蒼の姿が頭に浮かんだ。
「なんだよ、笑ってるし。俺だって本くらい読むんだよ」
「違うよ、蒼。本読んでる小さい頃の蒼の姿が浮かんだから。かわいいなって思って。だから…」
そう言って私は拗ねてる蒼の顔を覗き込んだ。
「えり、本好きか?今度一緒にうちの本屋に行こう。いろいろお勧めの本、教えるよ」
「うん、すごく楽しみ!本当に連れて行ってね」
蒼が満足そうに微笑むのを見て私も頬が緩んだ。
蒼って不思議。
話をするたびに蒼に関して新しい発見をして…
私は会うたびに蒼に心を許していった。