Love story Chapter four-11

Chapter four -11

  

 私は走っていた…ジャックの部屋に向かって。

ホテルの前でお兄ちゃんの車から降りていっぱい走った。

ジャック…お願い、部屋にいて!

お願い、どこにも行かないで。

ジャックの部屋の前で立ち止まった。

お願い、ジャック…私の前からいなくならないで。

コン、コン。

ドアをノックして待った…出て来ない…

急いでたのでジャックがチェックアウトしたかどうか、フロントで聞かずに部屋に上がって来てしまった。

もしかしたら…もう空港に向かってしまったのかも。

でも、私はジャックがまだここに居るような気がした。

ここに居て、お願い。

私は目を閉じてジャックがここに居てくれるのを祈った。

もう駄目かもしれないと思ったその時、ドアが開いた。

そしてそこにはシャワーを浴びたばっかりなのか、シャンプーの匂いがする少し濡れた髪をタオルで拭くジャックが立っていた。

ジャックはびっくりした顔で私を見る。

「ジャック、行かないで。私、今でもジャックを愛してる。だから…だから」

ジャックの胸に飛び込んだ私の後ろで部屋のドアが閉まった。

「ジャック、お兄ちゃんから聞いたの。私に会いに来ようとしてくれたこと。そして私に好きな人ができたってお兄ちゃんが言ったことも。私、ジャックを忘れようとした。エミリーの代わりに愛されたって思うことであなたを嫌いになろうとした。そして蒼と出逢って忘れられると思った。蒼は私があなたを忘れるまでいつまでも待ってるって言ってくれた。だから私も少しずつ、少しずつでも忘れようとした。でも…そうしようと思うほどあなたが恋しくてどうしようもなかったの!」

私は今まで心の奥にあった自分の気持ちをジャックにぶつけた。

「ジェイムズからエリィに好きな人ができたって聞いた時、俺の心の中が空っぽになってしまったように感じた。でもエリィにしたことを考えたら俺が息をしてることすら罪だと思ってた。俺がエリィにしたことを許してもらおうとは思わない。ただ、信じて欲しかったんだ。エリィを心から愛してる。一緒にいたいのはエリィなんだ…エリィだけなんだ」

ジャックの気持ちが痛いほど伝わってくる。

私、ジャックに愛されてる…

「もうなにも言わないで…私を2度と離さないで」

私はジャックの頬に両手を添えて大好きなジャックの瞳を見つめた。

ジャックの瞳の中に私が映る。

ジャック、大好きなジャック。

もう言葉なんていらない。

ただ、あなたに抱きしめて欲しいの。

ずっと、ずっと……