Love story Afterwards -10 (James)

Afterwards -10 (James)

  

リョウ達が帰ってからも穏やかな日々が続いていた。

ジャックソンが好きで近くの公園によく3人で遊びに行く。

あの日も公園でジャックソンを遊ばせていた…

ジャックソンがこっちを見て笑ってる…

「ホント、嬉しそうだよな…公園で遊んでる時は」

………

エリから何も返事が無いので、隣に居るエリの顔を覗き込んだ。

でもエリはジャックソンとは別の方向を見つめている。

なにを見てるんだ…エリ。

その先に視線を動かしたその瞬間、ジャックソンが転んだのが目に飛込んできた。

エリがジャックソンに駆け寄って抱き起こす。

「ジャッキー、大丈夫?ごめんねママがちゃんと見てなかったから…」

ジャックソンはなにも無かったようにまた他の子供達に混ざって遊び始めた。

「どうした…エリ。疲れてるんじゃないか?そろそろ帰ろうか…」

「うん…大丈夫…ただ…」

エリが言葉を濁す…

「私、ジャックを見たの…ジャックがそこに立ってた」

エリが指差す方向を見たけど、そこにはもう誰もいなかった。

エリ…

スリープウォークをしなくなったのでちょっと安心してたけど…

幻覚を見るようになってしまったのか…

けど…俺だって、ジャックの部屋でなにかを見たんだ。

あれは…ジャック、そんな気がしてならない…

だから…エリがそんなことを言うと俺も…もしかしてジャックなんじゃないかって…

そんなバカげたことなんか無いって頭じゃ理解してるのに。

でも大学の友達の話を聞いてわからなくなった。

街でジャックにそっくりの人間を見たって。

エリだけじゃないんだ…

混乱した頭の中でなにかがすっと繋がっていくような…

もしかして…あの時のことを思い出した。

リョウにジャックの兄弟のことを聞かれて弟がいるって答えた。

リョウが気になるって…

2才年下の弟…ジェイク。

顔は見たこと無いけどジャックと似てると聞いたことがある。

もしかするとそのジェイクがこの街に来ているのかもしれない。

でも…なんのために…