Love story Chapter one-19

Chapter one -19

  

うちの台所とは違うなあ。見たことない道具ばっかり並んでる。

やっぱり作るものが違うと道具も違うのが必要になるよね。

私はお隣のお母さんと修学旅行の時から仲良くなって時々カナダのお料理を教わっている。

今日はケーキを教えてもらう日。

お母さんの指導の下、なんとかケーキが焼けた。

「上手にできたわね。今日はこれでお茶にしましょう」

私は焼けたばかりのケーキをトレイに乗せてリビングルームにいる3人の前に置いた。

「えー、これエリが作ったの?」

ジョシュアが感心したように言った。

「初めてにしては上手に出来たね」

とジェイムズ。

「腹こわさないといいんだけどな」

と憎まれ口をきくジャック。

そこに紅茶を持ったお母さんが来てジャックの頬をつついた。

「エリちゃん、お料理上手よ。いつもお母さんのお手伝いしてるからよね」

お母さんはケーキを切り分けてお皿に乗せた。

3人はケーキを口に入れて顔を見合わせた。

私は砂糖と塩でも入れ間違えたのかと心配になった。

少しの沈黙の後3人が揃って言った。

「おいしいよ」

お母さんは当たり前でしょという顔をしたけど私はホッとした。

私もケーキを口に入れてみた。

「おいしー。私にはもこんなおいしいケーキが焼けるんだー。感激!先生がいいからですね」

私を見てお母さんがうれしそうに笑った。

食べ終わって台所で後片付けをしている時にお母さんが教えてくれた。

「このケーキ、3人とも小さい頃から大好きでよく作るのよ」

私は3人の大好きなケーキが作れるようになってちょっとうれしかった。

「今度はエリちゃん1人で作ってみてね。あの子達、喜んで味見しに行くと思うわ。特にジャック。あの子の1番好きなケーキだから」

お母さんはそう言って私にレシピーを書いた紙をくれた。

ジャックの1番好きなケーキなんだぁ、いつか作ってあげようかなあ…