Love story Chapter one-11

Chapter one - 11

 

起床6時…あぁー眠い。

昨日の夜早く寝たので寝坊しなかった…というか。

真由美と奈々が時間前から起きていてうるさくて寝ていられなかったと言ったほうが正しいかも。

あんなに遅くまで起きてたのに超元気がいい2人。

私と祐美は2人を見ながら明日もこの調子で早く起こされるんだろうなと憂鬱になっていた。

今日は朝一で清水寺の観光が入っている。お天気もいいし綺麗だろうな。楽しみ、楽しみ。

清水寺に着くとすでに学生でいっぱいだった。やっぱり修学旅行のシーズンだもんね。

ここはグループごとに行動するのでジャックの左右に真由美と奈々がくっついて歩いてる。

おみやげ屋のおじさんがここで転ぶと縁起悪いから転ばないようにねと真由美と奈々に言ってたけど、2人はジャックの顔だけ見てておじさんの言葉は聞こえなかったみたい。

祐美はおじさんに言われたように一歩、一歩慎重に坂を登っていく。

私もそんなことは無いでしょうーと思いながらも転ばないように歩いた。

ちょっと前を歩くジャックが転ばないといいんだけどと心配しながら。

無事、清水寺の舞台の観光も済んで自由行動になった。

紅葉が綺麗な中、私は祐美と縁結びの神様の所に行くことにした。

祐美は教えてくれない先輩との恋が成就するために一生懸命拝んでいる。

私はこれから誰かにめぐり合えるようにお願いした。

そのあと、お守りを買おうと祐美と2人で売店を眺めているところにジャックと真由美と奈々がやってきた。

真由美と奈々はジャックに縁結びの神様の説明を一生懸命していたけどジャックは眉をしかめていかにも女はわからないって顔をしてた。

ジャックは売店にいる私達を見つけたのかこちらに歩いてきた。

ジャックと話すのは旅行に出てから初めてだった。

「エリィも縁結びとかいう神様にお願いしたのか?」

「そうよ、素敵な人に巡り逢えますようにって。このお守りを持ってその人が現れるのを待つんだから。ロマンティックでしょ」

私はそう言ってお守りを振って見せた。

「どうして2個で1セットなんだ?」

またまた不思議そうにジャックは聞く。

「両思いなった時に、片方を相手に渡すんだよ。2人で1セットのお守りを持つの。それがいいんじゃん。ジャックもお守り買って誰かに片方渡したら?」

真由美と奈々の目が輝いた。

でもそんなことお構いなしのジャック。

「俺にはそんな相手なんかいないし、縁結びなんて信じない」

そう言って歩き去った。

その後を真由美と奈々が追いかけていく。

無事お守りを買って帰りも転ばないように坂を下りた。

そして今日も金閣寺、銀閣寺…1日お寺まわりで終わった。

やっとホテルに帰ってきてすぐにベッドに横になった。

だって足が歩いてパンパンになって痛かったから。

祐美には運動不足だって呆れられたけど。

「でも、時々ジェイムズとジョギングしてるんだけどなあ…もうちょっと真面目にやらないとダメかな…」

私がポツリと呟いたことに祐美は反応をした。

「えり!ジェイムズとジョギングなんかしてるの?知らなかった。いつから?!」

矢継ぎ早に質問攻めにあった。

私は時々タイミングが合った時にそうなることがあると説明した。

その横で祐美が私もジョギング始めようかなとブツブツ言っているのを聞いてこれはもしかして…鈍感な私もこれくらい反応されたらわかっちゃうよなあ。

「祐美の気になる先輩ってジェイムズのことだったの?」

私がそう言うと顔を真っ赤にして祐美は首を横に振って否定した。

うーん、もうなにも言わなくていいよ。

「応援するからね。それにジャックにも言わないから」

祐美は私の首を絞めそうな勢いで肩を掴むと大きな目で私を真っ直ぐ見て言った。

「もし、ジャックに言ったら絶交で一生口きかないからね」

「言わないから大丈夫だよぉ…。だから絶交するなんてコワいこと言わないでよ…祐美…」

祐美に絶交されたら困るのでこのことは口がさけても言わないように努力しよう。

「でも顔に出ちゃったらどうしたらいいんだろね…」

そう呟いた私に祐美が叫んだ。

「お面でもつけてなさいよー!」

その大きな声にバスルームで髪をドライヤーで乾かしていた2人がこちらを見た。

うわぁ凄い…彼女達の努力には脱帽って感じ。

 

今晩もファッションショーのごとく皆かわいく着飾ってる。

ふた晩目なので皆慣れてきて食事の時もにぎやかになってきた。

帰り際に男の子と話をしていく子とかも。先生もこれくらいは大目に見てくれてるのかなにも言わない。

食事が済んで帰ろうとした時に呼び止められて振り返るとジャックが立っていた。

ジャックは周りを気にしながら話かけてくる。真由美と奈々に見つからないように。

「明日、どっちに行くんだ?市内散策?映画村?」

そうだった。明日は希望によって映画村に行くグループと市内散策グループにわかれるんだった。

私は市内散策にした。あんまり映画村には興味が無かったから。

「市内散策だよ、ジャックも同じだったでしょ。ジャックのお母さんが2人一緒だと安心だからってそうしたでしょ」

ジャックはそうだった、そうだったといいう顔をした。

私達のグループはほとんどの子が映画村に行くのを選んだ。

散策組みは私と祐美とジャックだけだった。

真由美と奈々はジャックが映画村に行くだろうと読んで映画村のほうにしたんだけど

後からジャックが散策組だと知って歯軋りして悔しがった。

先生も無情に変更を許してあげなかった。

でもそのおかげで明日はのんびり観光ができそう。

「ジャック、こんな所にいたー。みーつけ」

真由美と奈々の声が聞こえてきた。

私と祐美は退散、退散と言いながらジャックを見捨てて部屋に向かった。

その背後でジャックの悲痛な叫びが…

「エリィ、エリィー!置いてくな…薄情者!覚えてろー」

ふふふ、ジャック…ご愁傷様。